社会人2年目。大変さ・必死さを訴えていた昨年のインタビューを踏まえたこの一年での変化と、今も役立っている学生時代の学びをお聞きしました。
インタビュー実施日: 2025年3月1日(土) at Open Lab 2025
社会人1年目と2年目の変化
【インタビュアー】
社会人2年目が終わるところの感想を聞きたいと思います。去年皆さんは「1年目はとにかく大変だった、仕事は時間に追われていた」と仰っていました。そこから1年経ってどうですか?
やるべきこと、今できることに気づく
【中村さん】
去年の「時間に追われる」みたいなのは正直あまり変わってないし、むしろ去年よりも時間に追われてる感はあるなと思います。それは「ずっと追われ続けるもの」なんだろうなって思っています。
違うことはなんだろう…。自分は去年配属されたところから部署を移動したんですけど、やるべきことがもっと見えるようになったのは変わったところかなって思います。
【堀池さん】
去年、私が時間にすごく追われてるといっていたのは、組織的な問題もいろいろあったんですけど…。それがこの1年ですごい変わったっていうのがあり、ようやく適切なプロセスと適切な生活を手に入れたと感じてます。それによって自分の調子が元に戻ってきた。「何が大変だった?」「どこにつまずいてた?」「何が良くなかった?」と振り返って、組織の問題だったり、個人スキルに問題があったり、マネジメントの問題とか、色々あったと思うんですけど自分の中で整理できた。
今は「自分に今できることって何?」というのをすごく考えるようになりました。その結果、 できること と やらなきゃいけないこと もすごく見えるようになり、「じゃあ次これやってみたい」みたいなのがようやく生まれてきた。プロダクトの理解も進んだし、もっとこのプロダクトをこうしていきたいみたいな気持ちも出てきた。
がんばり方のバランス感覚
【大橋さん】
私も変わらず時間には追われてます。でも去年までがこのくらいの仕事量で時間に追われてるとしたら、ある程度そこの仕事のやり方が分かってきて、昨年よりもっと多い仕事量で時間に追われている状態。そこの成長はしたなっていうのは自分でも思ってます。
っていうのと、とにかく難しかったのが仕事の優先度・緊急度のつけ方がわからなくて、「全てに一生懸命真摯にやらねば」「全てに全力になっていて苦しかった」ところもあった。その中で「これは特に頑張らなきゃいけない」「これは一旦このくらいで進めておきつつ、おいおい考えても良さそう」などバランスをつける練習を1年してきたので、より自分の頑張りたいところが見えてきた気がします。だからこそ任せてもらえることも増えてきたのかなって思っています。
【インタビュアー】
1年目は目の前のことで必死・大変だった。2年目になって、その辺が少し整理できて余裕が生まれ、仕事の内容やこなせる量やプライベートの充実に活かされてきた、と。キャパシティが増えた感じ。そっかそっか。
さっき1年目終わった組に話を聞いたところ、意外と余裕って言っていて。この部活(未来デザイン研究会)も含めて社会人と関わる機会も多く、思ったほどギャップはなかったみたい。いろいろだなぁと思ったんです。
【中村さん】
本当に二人(後輩たち)と私たちの性格の違いもありそうだけど…。
【大橋さん】
確かに…。わりと私たちは一人で考える時間を、みんなと喋る時間と同じかそれよりも多かった? 何が違うんだろう…。
【インタビュアー】
なかなかそれに答えはないんだけど。人それぞれで仕事の内容も、職場の環境も、大変だと思うことも違う。だから一概に学年で違うとかでもない。きっとこの3人でも置かれてる環境も、大変さの中身も違ったりするよね。
今も役立っている学生時代の学び
【インタビュアー】
さて、2年目が終わって、少しずつ大学(での学びや学生感覚)との差、ギャップが増えてきたわけですが、今振り返ってみて「大学生のときに勉強したコレがすごい役立っていると」か逆に「アレもっと頑張っておけばよかった」のような、今の学生にここがポイントと伝えられるものはありますか?
「社会人楽しいよ」の意味
【堀池さん】
あまりうまく言語化できないかもしれないですけど…。社会人になって、先輩たちのいう「社会人楽しいよ」の意味がようやく分かってきた。例えば、自分で苦労して稼いだお金で生活をする、家賃を払う、料理をする、何か大きい買い物をする、というのがすごい生き甲斐になったことに気づいた1年でした。
最初の1年目はどこか制限してたんです。お金を大量に使うことは間違っていないと思うけど、「貯金しなきゃ」「本当に必要なのか考えなきゃ」と思ってたんです。今は自分の欲しいもの、自分の生活を豊かにするものに対して、とことんお金をかけられる状態になった。
大学で学んでいた「生活者を見る」ところが、今の業務ですごい使われてるかっていうと…。プロダクトがちょっと社内向けなところもあり、使う機会は少ないかなぁというのが正直なところです。
そうなんですけど、いっぱいいっぱいになるとき、例えば電車満員電車にギュウギュウになって通勤しているときに、目の前の座ってる人の靴とか服とかを見て「この人ってどこから通勤してるんだろう」とか「どこで働いて、どんなことして、生活どんな感じだろう」みたいなことを勝手に妄想する。
そういう個人に対して興味関心が向かうのは、大学のときに先生から教えてもらったかなって最近思うときがあります。そこに現実逃避するのも、たまにはすごくいいなと思ったりします。
最適な手立てを見つける、鵜呑みにしない
【中村さん】
学生の時にフレームワークとかいろいろ勉強したと思うんですけど…。
大きく見れば課題や目的に対して最適な手立てを考える訓練? そういう考え方を自分の中にちゃんと落とし込めるようになったし、そういう練習ができた。もっとやっておけばよかったと思います。会社に入って結局「仕事ってそれの連続」だと思います。
自分が携わっている機能開発で「どんなユーザーの課題があって、それに対してどうしたらいいか」もあります。プロダクトマネージャーからの「こういうことをやってほしいんだよね」という依頼を鵜呑みにするのではなく、「そもそもなぜそう思うのかな」と背景をちゃんと知ろうとするのも大事だなってい最近思っています。
課題に対して一貫した解決作を考える練習は大事だなって思います。具体的に「この手法が」は正直あまりないですけど、考え方としてはどれも同じなのかな。
社会の仕組みをもっと学んでおけば良かった
【大橋さん】
今パッて思い浮かんだのは、最近グラフィックレコーディングを会社で行う機会があって。正直グラレコが会社に入ってどう役立つかは全く考えずに学生のときは楽しいからやってたんですけど、意外とグラフィックレコーディングとか、こういう場作りとか、未来デザイン研究会でたくさんやらせてもらえたのが大きかったと思っています。
当時はどう繋がるかは見えてなかったけど、それをどう使えるか考えるのって大事だなと思います。人材系の会社なんですけど、人材系の取り巻くレポートを要約して、それを見ながら会話する場を設けて、そこですごく価値発揮できたと感じました。意外と学んだことを還元する波を自分から作り出せるぞ、みたいな。
やっとけばよかったなって思うのは…。
この研究室で「人と向き合う力」は安武先生に強めてもらいました。インタビューしたり、フィールドワークしたり、インサイド探したりはやったけど、それを取り巻く社会に対する知識が弱いなって思っています。私は人材系の会社に入って、法律や社会ルールもあるし、「どういうことを社会から求められていてる」など社会的な流れ・トレンドとか、もっと広いところも見ていかなきゃいけないよなって改めて思いました。
【インタビュアー】
そんな話を今年の卒業制作展のときにもした覚えがある。「世の中のことをもっと広く知るために、どういう勉強をしたらいいですか」みたいな話。なかなか「コレをやったらいい」というのはないけど…。法律とか会社の中のルールを知るのもそうだし、堀池さんが言っていた「電車の中で見知らぬ人の人生を想像する」みたいなことも結構大事かな。
去年の皆さんは「ユーザーがサービスを使うその瞬間を切り取ったUXは考えるけど、個人の生活や人生を考える機会が仕事ではない」といっていた。そういう中で、目の前の仕事に活きるかは別として、生活を考える とか ユーザーという側面だけじゃない人間を見つめる。それは人材系だったら、転職を考える理由や悩みとか? 仕事の探しやすさなど一時的なUI設計だけでなくユーザーの背景を考えられると、もっと違うUIや転職体験全体の満足度が上がるようなものを考えられるかも。
【堀池さん】
私は都道府県が本当に覚えられなくて。位置と名前が全く覚えられないんです。でもそれは日本人としてもったいないなって思ったときがあり、どうしたらいいかなっていうのを考えました。それで、お土産をもらったときに、その地域をちょっと調べる、名産品とかお店とか。興味を持って、行動に移して、関心を広げる。それを日常的にやって「富山って白エビですよね」がパッと出てくるような生活もいいなと思っています。いつもだったら通り過ぎるところをあえて止まってみると楽しそうだな。と、会社の先輩と話していたのを思い出しました。
【大橋さん】
少しずつ教養をじわじわ広げる。直接は特に意味がなくても、どこかで繋がるみたいな。
【堀池さん】
それこそ転職ってなったときに「ここの地域って実はめっちゃいい」みたいな話もネタとして全然持っていていい。そこに繋げられるかもしれないし、繋がらなくてもいい。そういうのは一個できそうかもって思います。
【インタビュアー】
なんかそんなことを感じながら、皆さんと1年ぶりにお会いして、変わらないなっていう部分もあるけどすごい成長してるなって。もう親戚のおじさんの気持ちだから。「しばらく変わらないうちに立派になって」って。そんな感じに見えてきてるわけです。
ありがとう。大変なこともたくさんあると思うけど、うまく切り抜けながら頑張っていただければと思います。また来年、お会いしましょう。
